はじめに

皆様は動物病院についてどういったイメージをお持ちでしょうか?

“病院”と聞くだけで苦手なイメージをお持ちの方もいらっしゃるのでは無いでしょうか?

 

動物病院には、病気のペットを連れていらっしゃる方だけでなく、飼い方、しつけの仕方、その他、ペットに関わる様々なご相談にお見えになる方もいらっしゃいます。

日々、飼い主さんとお話をする中で、感じたこと思ったことを書いていきたいと思います。

 少しでも、通院やご来院を苦に思わなくて済みますように。お役にたてましたら幸いです。

動物の遺棄は犯罪です〜ご協力お願いします〜

2018年9月9日午前2時10分に当院に子猫が遺棄されました。

動物の遺棄は、動物愛護法27条より、犯罪であり違法行為に当たります。ましてや、開院までの7時間、目も開いていない乳飲み子を遺棄することが、どんな結果に繋がるか。

既に警察には届けを提出しており、犯人を捜すべく捜査を開始して頂いておりますが、真夜中の出来事ですので、情報が不足しております。どんな些細な情報でも構いません、何かお心当たりがある方は当院までご連絡下さい。宜しくお願いします。

動物病院の前に捨てれば育ててくれるだろう、と思われる人もいるようですが、大きな間違いです。遺棄された動物を保護することで、限られた入院スペースが失われ、重症の患者さんの入院を断らなければならない事態になることもあります。また、世話に時間や人員を費やされることによって、外来診療や入院患者さんに費やすべき時間や労力が失われる場合もございます。

動物病院は、病気の動物を治療する場所であって、飼えない、あるいは保護した動物を預かる場所では無いのです。勿論、この仕事をしている限り、助けられる命は助けたいと思っていますが、当院はドクター1人と看護師1人の体制で診療をしておりますので、現状では動物の保護活動に貢献することは不可能であり、その結果として、通院下さる患者さんに迷惑をかけることは出来ないのです。とても悔しく思っています。

なお、実際に動物を遺棄した結果(保護した動物であっても)、検挙された例もございます。

*遺棄時、子猫が入っていた容器(ダイソーの300円のケースにグレート縞の服が敷いてありました)

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動物病院がどれだけ迷惑か、勝手に遺棄することがどれだけ非常識な行為かが分かると思います→https://togetter.com/li/987801

 

では、どうしたらいいのか? 参考にご覧ください→

https://nekochan.jp/cat/article/1288

http://www.sh.rim.or.jp/~misshie/animal%20rescue.htm

http://www.pref.osaka.lg.jp/doaicenter/doaicenter/index.html

*念のため。各愛護団体さん、公的機関は、飼い主の勝手な都合で飼えなくなったペットを引き取る場所ではございません。どうしても飼えない事情があるなら、まずは相談すべきです。勿論、せめて自分で里親を探すぐらいの努力をするのが当然だと思いますが(それが生き物を飼うことに対する責任だと思います)くれぐれも、勝手に遺棄するのは辞めて下さい。

爪折れ注意(2012.08.27)

残暑の厳しい折、いかがお過ごしでしょうか?

今年の猛暑は、ワンちゃんや猫ちゃんにとって、過ごし辛いものだったと思います。少しずつ秋の心地良い風が吹き始めましたので、もうしばらくの辛抱だと思います。

 

自転車のカゴに乗って、颯爽と風を切るワンちゃんは気持ちよさそうで、見ている方もほほえましい気持ちになります。当院も近隣より自転車でご来院頂きますペットちゃん、飼い主さんが多くいらっしゃいます。

少しだけ、ご注意頂きたいことがございます。

自転車のカゴに爪をひっかけて折れてしまうことが時々あります。

普段乗り慣れている子でも、ちょっとした道路の凹凸や初めての道に戸惑い、暴れてしまうこともございます。また、車や工事の音に驚いて、飛び降りてしまうケースもございます。

思わぬ事故やケガを防ぐため、自転車でのご来院の場合は、キャリーバックを使用されるか、カゴにひっかけ防止の袋や布を使用されることをおすすめ致します。

 

爪は根元に血管と神経が走行しており、血管部分が折れると、思いのほか出血します。また、痛みも強く、しばらく足を着けなくなる子もおります。

もしも、爪をひっかけて出血してしまった場合の応急処置としましては。あわてずに、タオルやハンカチなどで圧迫止血してあげて下さい。その上で受診されることをおすすめ致します。

 

なお、よくお散歩に行かれるワンちゃんは爪がすり減っているので、あまり爪切りをする必要もないのですが、室内飼育のワンちゃんであまりお散歩に行かれない場合は伸びてきたら爪切りをする必要があります。

また、前足の内側の親指部分の爪や後ろ足の内側の狼爪はすり減らず、伸び過ぎると肉球に刺さってしまう場合がありますので、定期的に爪切りをする必要があります。

透明の爪は血管部分がピンク色に見えるので、ご自宅で爪切りをされる飼い主さんも多いと思いますが、黒い爪は血管部分を目視することが出来ず、なかなか上手く爪を切ることが難しいと思います。

黒い爪の場合は、いきなり根元まで切らず、先から少しずつ爪をカットしていき出血する前に辞める、しか方法は無いのですが。市販の爪ヤスリなどで先を丸めてやるだけでもひっかけ辛くなります。

勿論、トリミングルームや動物病院でも爪切りは可能ですので、ご相談下さい。

 

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ムーンフェイス〜ワクチン接種時のご注意〜 (2012.2.2)

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ワクチン接種後に顔面が腫脹したミニチュア・ダックスフンド(NJK Feb 2010参照)

 

ムーンフェイスという言葉をご存知でしょうか?

人でも使われる言葉ですが、動物病院では主にアレルギー反応を示す言葉としてよく使われます。つまり、じんま疹による顔面腫脹、顔がパンパンにはれる状態を意味します。

ムーンフェイスを起こしやすいものの一つとして、ワクチン接種があります。

また、ダックスフンドは、他の犬種と比較して、ワクチンによるアレルギーの発症頻度が高いことが報告されています。

 

ワクチンによって起こるアレルギー反応は主に2つあります。

一番多いアレルギー反応がムーンフェイス、じんま疹による顔面腫脹になります。多いと申しましても発症頻度は約0.4%(日本の場合。海外の場合はもっと発症頻度が低いとの報告もあります)で、注射後2〜6時間ぐらいで発症する場合が多く、強いかゆみから顔をかきむしってしまう場合があります。

もう一つは、発症頻度は0.1%(米国の場合は0.0001%との報告もあります)で滅多にない反応ですが、アナフィラキシーと呼ばれる強いアレルギー反応です。この場合、接種後5〜10分で呼吸困難や血圧低下などを起こし、すぐに対処が必要になります。ですので、当院では、ワクチン接種後は待合でお待ち頂き、何かあってもすぐに対処させて頂くようにしております。

いずれの場合も、抗アレルギー薬等の適切な治療によって、症状は治まります。

 

アレルギーは体質によるものですので、残念ながら、接種前にアレルギー反応を起こすかどうかは判断しかねます。

一方で、ワクチン接種によって、発病すると決定的な治療法が無い伝染病や、治癒後もケイレンなどの重大な後遺症の残る伝染病、人にうつる可能性のある伝染病の予防も可能になります。大切なワンちゃんを病気から守る、また他のワンちゃんに病気をうつさないためにもワクチン接種は必要だと思います。

また、ペットホテルやトリミング、ドックラン、その他多くのワンちゃんが集まる場所に出かける場合は、ワクチン接種が必要なケースも多くなっています。

 

大切なことは、過剰に心配をすることではなく、メリットとデメリットを考慮し、正しい知識と対処の元、接種することだと考えております。

ですので、ワクチン接種時は、もしもアレルギー反応を起こしたときのことを考慮し、すぐに対処させて頂けますよう、午前中の診療時間でのご来院をおすすめしております。

また、過去にそういったアレルギー反応の経験がおありのワンちゃんは、ワクチン接種前にご相談いただきたいと存じます。

 

なお、ワクチン以外でも、添加物の多い食事やハーブ、他の薬品(動物用の薬だけでなく人間の外用薬など)でムーンフェイスを起こすワンちゃんもいらっしゃいますので、ご注意いただきたいと思います。

 

脱線話 (2011.11.25)

20日は臨時休診とさせて頂きましてご迷惑をおかけいたしました。新しい知識、情報の習得のため、学会に参加してきました。

ご理解頂きまして、ありがとうございました。

 

さて、今回は少し脱線模様ですが。ほんの少しだけ、病院外でのお話をしてみようと思います。

 

出席致しました動物臨床研究医学会年次大会は、大規模な学会ですので、他の動物病院様でも臨時休診にされたり、院長先生やスタッフの方がお休みを取られていた場合も多いかと思います。

また、遠方よりご出席される先生方も多い学会でもあります。

実際、関東や遠くは北海道から出席されている先生方もいらっしゃいました。

また、学生時代の恩師や先輩、同級生とも、本当に久しぶりにお目にかかる機会を得ました。セミナー(講習会)の合間のほんの少しの時間ですが、とてもうれしく懐かしく思いました。

 

学会ですので、研究や症例発表がございますが。それ以外に、医療機器や医薬品、出版社など各業者様の出展ブースや、各講師の先生方によるセミナー、一般の方向けの講演もあります。また、今回の学会は動物看護師スタッフ向けのセミナーが充実しているのも、ひとつの特徴と言えると思います。

動物看護師は、普段、看護業務以外に受付、電話応対、院内清掃、掲示物の作成、手術の準備・介助などなど。非常に数多くの、多岐に渡る業務をこなしてくれております。

その傍ら、勉強をする機会は、一昔前に比べますと随分増えてはきたと申しましても、まだまだ少ないのが現状です。

 

1日だけの参加ですし、学んできたことがすぐに役立てれる訳では無いかも知れません。それでも、向上心を持って努力してもらうために、また、他の動物病院の動物看護師たちと交流することによって、何かを得てくれればいいなと考えております。より良い獣医療を提供するだけでなく、より良いご対応を提供するためにも。

 

勿論、診療が本来一番大切な業務でございますので、頻繁に休むつもりはございませんが。少しずつ、勉強会やセミナーに参加して参りたいと思っております。

あくまで診察に影響の出ない範囲で、のお話ですが。

 

まだまだ、これからではありますが、皆様のお役にたてますよう、頑張って参りたいと思います。 

猫は狭いところが好き (2011.10.29)

“猫は狭いところが好きなんです”

この言葉は、開業前に勤務していました病院の動物看護士のことば。

とても納得し感心したことを覚えています。

 

思い出してみますと確かに、我が家の同居猫タマコさんは、そこに袋があれば顔を突っ込んでみる(そのまま転がってらっしゃいますが)。そこに隙間があれば顔を突っ込んでみる(そのまま途方に暮れてらっしゃいますが)。そこに、、、、もういいですかね。

皆様のおうちの猫ちゃんも、特に何かに驚いたり、怖がったりしたときは、ベットの下、家具の隙間、キャットハウス、飼い主さんの腕の中など、狭いところに潜り込んだりしているのではないでしょうか?

 

動物病院は、猫ちゃんにとっては見知らぬ場所ですので、どうしても恐怖心を抱く子の方が多いです。怖がっている最中、ワンちゃんの鳴き声や見知らぬ人の話し声、扉を開ける音などが聞こえてきますと、順番を待っている間にパニックになってしまう子も多く見かけます。

 

キャリーバックでのご来院をお願いしておりますのは、逃走防止の意味だけでなく、「少しでも猫ちゃんのストレス軽減になるように」の意味合いもございます。

勿論、普段キャリーバックやケージに入り慣れていない猫ちゃんは、ご自宅でキャリーバックに入ることに抵抗されると思います。

かわいそう、とおっしゃる飼い主さんもいらっしゃるのですが、いざ病院に着くと、抵抗していたはずのキャリーバックは、猫ちゃんにとって、見知らぬ人やワンちゃんが入ってこない、安心できる“狭いところ”になるのです。

普段遊んでいるおもちゃや、使っているタオルなども一緒に入れてあげると、なお一層、落ち着けるかもしれません。

 

また、ご自宅でも日当たりのいい窓際や家具の棚など、落ち着ける“狭いところ”を作ってあげて頂きたいと思います。

 

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慢性疾患と上手に付き合う (2011.10.8)

朝夕、すっかり涼しくなって、動物も人も過ごし易い季節になりました(むしろ、少し肌寒い日もございますが)。開院前、茹だるような暑さの中、各方面の方々にお力を頂き準備しておりましたのが遠い昔のように感じ、暑い暑い夏が終わって、駆け足の秋が通り過ぎようとしているようにも思います。

 

最近は、17歳を超えるワンちゃんや20歳近くの猫ちゃんなど、ご長寿のペットも増えております。

ペットの長寿化・高齢化に伴って、慢性疾患(腎不全や心不全、糖尿病など)を患っておられるペットも多いのではないでしょうか。

慢性疾患は、安定期に容態が急変するケースは比較的少ないのですが、徐々に病気が進行するため、基本的に完治が困難です。ですので、病気と上手く付き合ってあげる必要があります。

 

慢性疾患を治療中の飼い主様は、おうちの子がどんな病気で、どんな治療を受けておられるか、ご存知でしょうか?

具合が悪くなったとき、おうちの子の病状を把握している、かかりつけ医での治療が望ましいと思います。

しかし、行楽シーズンにペットを連れてのご旅行中に具合が悪くなる場合。また、夜間やかかりつけ医の休診日に具合が悪くなる場合。あるいは、転居などによって、それまでのかかりつけ医に受診できなくなる場合もございます。

そういったとき、言葉を話すことの出来ないペットの治療においては、今までの検査データーや治療経過が、重要な情報になります。

緊急時に備えて、今までの検査データーや治療内容を把握した手帳などを作られてみてはいかがでしょうか?処方箋薬局で頂くお薬手帳のように。

勿論、かかりつけの先生とご相談頂き、治療内容の簡単なメモなどを貰っておくのも良いかも知れません。

 

また、そういった記録は日々、飼い主様とペットが、ともに生活をしてきた記録でもあります。今後、病気と上手に付き合って楽しく長生きして頂くために、大切にして頂きたいと思います。

 

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