“猫は狭いところが好きなんです”
この言葉は、開業前に勤務していました病院の動物看護士のことば。
とても納得し感心したことを覚えています。
思い出してみますと確かに、我が家の同居猫タマコさんは、そこに袋があれば顔を突っ込んでみる(そのまま転がってらっしゃいますが)。そこに隙間があれば顔を突っ込んでみる(そのまま途方に暮れてらっしゃいますが)。そこに、、、、もういいですかね。
皆様のおうちの猫ちゃんも、特に何かに驚いたり、怖がったりしたときは、ベットの下、家具の隙間、キャットハウス、飼い主さんの腕の中など、狭いところに潜り込んだりしているのではないでしょうか?
動物病院は、猫ちゃんにとっては見知らぬ場所ですので、どうしても恐怖心を抱く子の方が多いです。怖がっている最中、ワンちゃんの鳴き声や見知らぬ人の話し声、扉を開ける音などが聞こえてきますと、順番を待っている間にパニックになってしまう子も多く見かけます。
キャリーバックでのご来院をお願いしておりますのは、逃走防止の意味だけでなく、「少しでも猫ちゃんのストレス軽減になるように」の意味合いもございます。
勿論、普段キャリーバックやケージに入り慣れていない猫ちゃんは、ご自宅でキャリーバックに入ることに抵抗されると思います。
かわいそう、とおっしゃる飼い主さんもいらっしゃるのですが、いざ病院に着くと、抵抗していたはずのキャリーバックは、猫ちゃんにとって、見知らぬ人やワンちゃんが入ってこない、安心できる“狭いところ”になるのです。
普段遊んでいるおもちゃや、使っているタオルなども一緒に入れてあげると、なお一層、落ち着けるかもしれません。
また、ご自宅でも日当たりのいい窓際や家具の棚など、落ち着ける“狭いところ”を作ってあげて頂きたいと思います。