ムーンフェイス〜ワクチン接種時のご注意〜 (2012.2.2)

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ワクチン接種後に顔面が腫脹したミニチュア・ダックスフンド(NJK Feb 2010参照)

 

ムーンフェイスという言葉をご存知でしょうか?

人でも使われる言葉ですが、動物病院では主にアレルギー反応を示す言葉としてよく使われます。つまり、じんま疹による顔面腫脹、顔がパンパンにはれる状態を意味します。

ムーンフェイスを起こしやすいものの一つとして、ワクチン接種があります。

また、ダックスフンドは、他の犬種と比較して、ワクチンによるアレルギーの発症頻度が高いことが報告されています。

 

ワクチンによって起こるアレルギー反応は主に2つあります。

一番多いアレルギー反応がムーンフェイス、じんま疹による顔面腫脹になります。多いと申しましても発症頻度は約0.4%(日本の場合。海外の場合はもっと発症頻度が低いとの報告もあります)で、注射後2〜6時間ぐらいで発症する場合が多く、強いかゆみから顔をかきむしってしまう場合があります。

もう一つは、発症頻度は0.1%(米国の場合は0.0001%との報告もあります)で滅多にない反応ですが、アナフィラキシーと呼ばれる強いアレルギー反応です。この場合、接種後5〜10分で呼吸困難や血圧低下などを起こし、すぐに対処が必要になります。ですので、当院では、ワクチン接種後は待合でお待ち頂き、何かあってもすぐに対処させて頂くようにしております。

いずれの場合も、抗アレルギー薬等の適切な治療によって、症状は治まります。

 

アレルギーは体質によるものですので、残念ながら、接種前にアレルギー反応を起こすかどうかは判断しかねます。

一方で、ワクチン接種によって、発病すると決定的な治療法が無い伝染病や、治癒後もケイレンなどの重大な後遺症の残る伝染病、人にうつる可能性のある伝染病の予防も可能になります。大切なワンちゃんを病気から守る、また他のワンちゃんに病気をうつさないためにもワクチン接種は必要だと思います。

また、ペットホテルやトリミング、ドックラン、その他多くのワンちゃんが集まる場所に出かける場合は、ワクチン接種が必要なケースも多くなっています。

 

大切なことは、過剰に心配をすることではなく、メリットとデメリットを考慮し、正しい知識と対処の元、接種することだと考えております。

ですので、ワクチン接種時は、もしもアレルギー反応を起こしたときのことを考慮し、すぐに対処させて頂けますよう、午前中の診療時間でのご来院をおすすめしております。

また、過去にそういったアレルギー反応の経験がおありのワンちゃんは、ワクチン接種前にご相談いただきたいと存じます。

 

なお、ワクチン以外でも、添加物の多い食事やハーブ、他の薬品(動物用の薬だけでなく人間の外用薬など)でムーンフェイスを起こすワンちゃんもいらっしゃいますので、ご注意いただきたいと思います。

 

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