意外と誤解の多いフィラリア症予防をもう一度見直してみませんか?〜Q&A〜(2018.4.1)

フィラリア症は蚊が媒介して心臓に虫が寄生する病気です。

とっても有名なワンちゃんの病気ではありますが、その予防については、意外と誤解が多いように感じます。この機会に一度、よくある疑問、ご質問をQ&A方式でまとめてみたいと思います。

 

〜Q&A〜

Q:予防法は?

A:月1回の投薬で予防ができます

 

Q:室内だから予防しなくても大丈夫?

A:室内でも蚊はいますので予防が必要です。また、フィラリア症を媒介する蚊は、夜間だけではなく昼に活動する蚊もいますので、散歩中に蚊に咬まれても感染することがあります。実際、少数ですが、完全室内飼いのワンちゃんが感染してしまった例もあります。

 

Q:薬を嫌がるんですけど?

A:食べるタイプのお薬もありますのでご相談下さい。また、お取寄せになりますが、スポットオンタイプ(首筋に垂らす)の予防薬もございます。

なお、注射による予防法もありますが、現状では、当院では注射の予防薬のお取寄せや取扱いはしておりません。申し訳ございませんが、ご了承ください。

 

 Q:予防期間はいつからいつまでですか?

A:4〜5月中に投薬をはじめて12月まで予防が必要です。

フィラリア予防薬は、蚊に咬まれないようにするお薬ではなく、蚊に咬まれて体内に入ったフィラリアのちっちゃな子虫を駆虫するお薬です。

蚊が媒介して体内に入ったフィラリアの子虫は、最初はワンちゃんの皮膚や筋肉にとどまっています。その後、1〜2ヶ月すると血管に移動します。

予防薬は血管に移動してきた子虫、それも1ヶ月の間だけ効果がある薬になっていますので、12月まで(10〜11月頃に蚊に咬まれて感染した子虫が血管内に移動してくる12月まで)投薬の必要があります。

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Q:3月から予防が必要だとか、一年中予防が必要だと聞いたのですが??3月中にも蚊が飛んでいますが大丈夫ですか?

A:蚊は気温が18℃以上になると吸血活動をはじめます。フィラリア症は蚊が吸血することによって感染しますが、予防薬は血管内に入ってきた子虫を駆虫する薬になりますので、一般的にはフィラリア症に感染する可能性がある時期(蚊の吸血活動が開始する頃)から感染する可能性が無くなる時期(蚊が吸血活動をしなくなる)の1ヶ月後まで投薬する必要があります。1〜3月は必要無いと思います。

気温等の統計を基にフィラリア症感染の可能性がある期間を産出したデーターがありますが、それによると大阪府下の感染の可能性がある期間は、5月はじめ〜11月中旬になります。ですので、例年どおりの気候であれば、5月〜12月まで予防すれば大丈夫ということになります。

ただし、統計を見てみるとフィラリア症感染期間は年々長くなる傾向にあります。因みに、数年前まで5月下旬〜11月初旬だったものが、2016年では5月4日〜11月6日となっております。近年の異常気象を考えると、また、お住まいの場所によっては(河川、水田、池や藪などの近く)、4月からスタートする方が確実と思われます。

また、ノミ・マダニは気温が13℃以上になると活動を始めるため、ノミ・マダニ予防と一緒になったオールインワンタイプの予防薬をご希望の場合は、4月からの予防をおすすめします。

 

Q:検査は必要ですか?

A:フィラリア予防薬は、感染していないワンちゃんには、大変、安全性の高い薬(例えば5倍量程度飲んでも問題ありません)ではありますが、万が一、既に感染しているワンちゃんがそのまま飲むと、虫と薬が強いアレルギーをおこし容態が急変する場合もあります。

また、フィラリア予防薬は、必ず検査をしてから獣医師が処方する、法的規制のある要指示薬・処方薬(注*)になります。検査の必要の無い子犬以外は、予防をはじめる前に、毎年、必ず検査が必要です。

注*)獣医師法第18条、医薬品医療機器等法第24条によって規制されています


フィラリア予防薬については、残念ながら検査や診察をせずに処方する獣医師がいることも、動物病院ではないショップさんが販売していたりすることがあったりするのも事実です。また、感染しているワンちゃんでも使用できる予防薬だから検査は不要だとおっしゃる方もいるかも知れませんが、それでもお薬の添付文書には服用前に検査を実施することと、明記されています。

 

事前に検査を受け無かったために、フィラリア症に既に感染していることに気づかずに予防薬を服用し、アナフィラキシーショックをおこしたワンちゃんを、実際のところ、私自身は何例か診ています。

助かったワンちゃんもいましたが、残念ながら手の施しようが無かった子もいました。そして、その時の飼い主さんの後悔された様子を、もう何年も経っているのに忘れることが出来ないままでいます。

きちんと予防しておけばよかった、簡単な検査なんだから面倒がらずにちゃんと受けてから飲ませればよかった、、と。

 

色々な考えに基づいたペットとの関わり方があってもいいとは思っています。

でも、恐らく、大多数の飼い主さんは、ワンちゃんに元気で長生きして欲しい、少しでも長く生活を一緒にしたいと願ってらっしゃると思います。そういったご家族の、一助になれれば、と思います。

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